★ 「 きもの処 」取扱きものご紹介 ★
▲ 100%小石丸を使用した地紋のある色無地(反物)
「小石丸」は日本古来の在来種の蚕の名です。皇居の紅葉山御養蚕所でのみ歴代の皇后に飼育されてきた貴重な蚕で、採れた生糸は、宮中祭儀の装束などに供されてきました。最近では愛子様ご生誕の折の「おくるみ」に使用されました。蚕の中では最も細い糸をはき、けば立ちが少なく、独特の艶があって張力が強いといった優れた特性を持つ、まさに日本の蚕の頂点に立つ糸です。1998年に一般に解禁されましたが、あまりにも小粒で繭糸量が少ないため経済性にかけるとの理由で市場にはほとんど出てきませんでした。そのために"幻の糸"とも呼ばれ、半ば伝説化されてきました。ふつうの絹織物の縦糸の数は約3,600本ですが、小石丸は何と7,700本。これによりとても艶やかでうっとりするほど美しい風合いの着物となるのです。高貴で美しく着やすい、きもの通垂涎の着物です。
室町時代の「辻が花染め」を研究し、独自の「一竹辻が花」として現代に蘇らせ、世界へも着物を芸術作品としての評価を得るまでに広めた有名作家。深い紫は高貴な華やさを放つ一品で、特にちりめん地の着物は希少な作品となっています。
東京神田生。少年期より友禅染や日本画などを学び、戦後、室町時代の辻が花染めの研究に着手、独自の染色法「一竹染」を創業。国内はもちろん海外でも活発に個展・公演を開催し作品を発表、高い賞賛を集める。1990年、フランス芸術文化勲章シェヴァリエ章を受賞。1993年、文化庁長官賞受賞。1994年、山梨県河口湖町に 久保田一竹美術館を開館。
上品で落ち着いた色目の摺り染め友禅に総付けされた立体感のある精緻な刺繍が素晴らしいこの訪問着は、中国において、日本の人間国宝にあたる工芸藝術大使に認定されている蘇州刺繍の大家として著名な蒋雪英の作品。( 染めは京染め摺り友禅師 横塚賢治 )。中国伝統工芸の最高峰技術が、京都の友禅染め技術と着物において一体となって実現した芸術ではないでしょうか。日本でも評価の高い蒋雪英の総付け刺繍の着物は今や大変希少なものとなっています。
中華人民共和国江蘇省呉縣市刺繍総廠副廠長、中国工芸美術大師。中国ではその技術の一般公開が禁じられている平刺繍(打子<ダーツ>刺繍)の第一人者とされる。
佐賀錦は、金銀箔や漆を置いた特製の和紙を細く裁って経糸とし、絹の撚糸を染色したものを緯糸にして丹念に織り上げて精緻な文様をつくる豪華で格調高い織物です。緻密な手作業の技術と大変な手間と根気を要するため熟練技術者の減少を伴って、現在では高級で希少なものとなっています。野村由美さんは数少ない手組み佐賀錦の後継者であり、皇室御用の礼服などを制作している現代作家です。
多摩美術大学美術学部卒業。母である(故)野村静枝より佐賀錦の指導を受ける。平成2年、皇后陛下即位の礼のローブデコルテ制作。以後も皇室御用を賜りローブデコルテ、バッグなどを制作。