■高6.1×口径12.2×高台径4.2cm､高台脇に印銘｢高｣｢味楽｣
■十四代味楽 識箱

高取焼の伝統を受け継ぐ名窯の当主 十三代味楽が、高取焼で油滴天目を表現した珍しい茶碗。金属質にも似た薄作りに端整な造形で、手持ちも良い。見込の釉景色も面白く、興味をそそる茶陶一品。

十三代 亀井味楽( Kamei Miraku 13th ）

1883年（明治16）〜1956年（昭和31）、11代高取久助（寿泉）の長男として生まれる。本名 弥太郎、号は味楽。昭和19年（1944）に農商務省から陶芸技術保存資格の認定を受ける。

■高8×口径12.7×高台径5.5cm、高台脇に掻き銘
■共箱

茶陶の制作に積極的に取り組んだ人間国宝 山本陶秀の茶碗。伝統的な備前焼の表現を巧みにおさえて茶陶としての扱いの良さと嫌みのない造形美を生み、流れ胡麻など大胆な景色を魅せる焼き上がり。

山本陶秀( Yamamoto Tosyu ）

1906年(明治39)〜1994年(平成6）、岡山県備前市生。本名、政雄。1933年､備前市伊部に築窯独立。京都の陶芸家楠部彌弌に師事。伝統技法をふまえながら、特に茶陶に独自の境地を開き、「ロクロの名人」と呼ばれるほど轆轤技術の最高峰を極めた。1954年､岡山県重要無形文化財保持者。1959年､ブリュッセル万国博覧会で出品した緋襷大鉢がグランプリ（金賞）を受賞。1976年､紫綬褒章を受章、1982年､勲四等瑞宝章を受章。1987年に「備前焼」で重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定される。1991年､備前市名誉市民。

■高8.4×口径13.3×高台径6.4cm、高台脇に印銘「善」
■共箱、共布

萩らしい土味と釉薬の景色が素晴らしい焼き上がりで、胴部のしのぎや荒々しくも見事な造りの割高台が一層の格調と面白味を増しています。現代萩を代表する人気作家です。

波多野善蔵( Hatano Zenzo ）

1942年(昭和17)、佐賀県唐津市生。唐津、伊万里で修行後、萩焼窯元・波多野指月窯の養子となり、窯を継ぐ。吉賀大眉に師事。山口県展や日展に出品・入選を重ねる。1981年、日本伝統工芸展で日本工芸会奨励賞を受賞、日本工芸会正会員となる。1992年、山口県選奨（芸術文化功労）を受賞。2002年、山口県指定無形文化財の認定を受ける。

■高5.2×口径14.1×高台径5cm、高台脇に印銘「永楽」
■共箱（ 表千家十三代 即中斎　書付 ）

永楽らしい華美過ぎず上品で優美な色づかいと、繊細で立体感のある絵付けで秋の様々な草花を描いた素敵な平茶碗。表千家家元の書付も添えられています。季節感とともに茶席を華やぐ見事な茶碗です。

十六代 永楽善五郎（即全）( Eiraku Zengorou 16th ）

1917年(大正6)〜1998年(平成10)、京都市生。1935年、千家十職 永楽家の十六代善五郎を襲名。1937年、神奈川県大磯の三井家別荘に城山窯を築窯し、京都と往復し作陶を続ける。1960年、京都伝統陶芸協会初代会長。千家十職による千松会や十備会に出品、茶陶界において精力的に活動。1986年、京都市文化功労者に認定。1990年、勲五等瑞宝章受章。1992年、京都府文化賞特別功労賞を受賞。

■高7.9×口径12.3×高台径4.8cm、高台脇に印銘「�a平」
■共箱（経年によるヤケ・汚れあり）

江戸時代後期より、兵庫県淡路島で始められた�a平焼（淡路焼）。本茶碗は、その銘や共箱からも分かるように、明治に入り窯が淡陶社となって制作されたものである。京焼茶陶の流れをくむ作風で、青釉の濃淡による笹文様を絵付けし、周囲を金彩の叩きつけにより地色をうめ、シンプルながら特徴的な雰囲気となっている。経年による高台周りの汚れなどが見られるが、傷は無く状態は良い。

■高7.6×口径12.2×高台径5cm、高台内に印銘「香雲」
■共箱

扇面を大胆に配し、色絵にさらに金彩・銀彩を駆使して、御所車に菊、桐、松、梅、桜、楓（紅葉）などが繊細丁寧に絵付けされた優美で絢爛豪華な茶碗となっています。吉祥文様として四季を問わず、茶席を華やぎます。痛みや汚れ無く、未使用と思われ、状態はとても良い。

二代 宮川香雲( Miyagawa Koun 2nd ）

1938年(昭和13)〜、京都府生。四代宮川香斎（初代真葛香斎）の甥、父は宮川香斎家から分家し竜谷窯を開窯した代宮川香雲。六代清水六兵衛に師事。1982年(昭和57)、二代香雲を襲名。仁清写、乾山写、道八写の色絵・金襴手を主とした絢爛たる作風で茶席でも定評がある。瑞宝単光章受章。

■高8.5×口径11.2 ×高台径5.8cm、高台内に印銘｢道八｣
■共箱

仁阿弥道八(二代高橋道八）の仁清写色絵筋文入子茶碗を模した茶碗。金彩と色絵の縞が黒釉によく映えて美しく、モダンな印象も。見込には道八の特徴であるきれいな油滴が見られる。多少の使用感はあるが状態は良い。

七代 高橋道八( Takahashi Dohati 7th ）

1910年(明治43)〜1983年(昭和58)、京都市生。本名「光一」。京都市立美術工芸学校彫刻科を卒業。江戸時代後期より続く京焼の窯元を継ぐ父である六代道八に陶芸を学ぶ。1941年､7代道八を襲名。1943年､商工省技術保存資格者に認定される。

■高7.7×口径12.3×高台径5.4cm、高台脇に印銘｢韓峯｣
■共箱、仕覆

荒々しくも美しい土味と釉肌にまさに茶の湯の茶碗にふさわしい萩焼の魅力を感じられる出来上がり。今や希少になった高麗左衛門の良作です。

十一代 坂高麗左衛門( Saka Kouraizaemon 11th ）

1912年(大正元)〜1981年(昭和56)、山口県下関市生。生家の坂家は旧萩藩御用窯の宗家として知られ代々続く萩焼名窯。1958年､十一代坂高麗左衛門を襲名。1975年､山口県指定無形文化財に認定。1980年､日本工芸会理事。

■高8.4×口径12.4×高台径5.8cm、高台内に印銘｢道八｣
■共箱、共布

道八らしい定評のある黒釉に金彩も用いた立体感のある色絵が映える優美な茶碗。どこを見ても、丁寧に描きこまれた縁起の良い吉祥文様である宝尽くし絵が眼を楽しませます。広く様々な茶席で重宝できるでしょう。

八代 高橋道八( Takahashi Dohati 8th ）

1938年(昭和13)〜2011年(平成23)、京都市生。京都市立日吉ヶ丘高等学校美術科卒業後、京都府訓練校にて轆轤成形、京都市工業試験場にて釉薬を学ぶ。父である7代道八に師事。1983年､8代道八を襲名。